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― おしゃれ布マスク・ファッション化計画 ―

Evaluation マスク性能と評価 

A Message from CDC

ウイルスは、会話、咳、くしゃみなどで拡散される。公共の場における布製のフェイスマスクの着用を推奨する。シンプルな布で顔を覆うことが感染拡大を防ぐために有効である。

"Cloth face coverings fashioned from household items ... can be used as an additional, voluntary public health measure."

- CDC

  • Measuring Particles粒子の計測

    Various Unites様々な単位基準

    素粒子
    微粒子
    ナノ微粒子

    mm/μm/nm

  • Certified Masks認証マスク検証

    3 Test Standards認証基準3大テスト

    細菌ろ過効率
    粒子ろ過効率
    最悪条件設定

    BFE/PFE/NaCl Test

  • Household Masks市販マスク検証

    Commecial Products市販マスク性能

    サージカルマスク
    布製マスク
    家庭用マスク

    不織布/様々な布素材

Measuring Particles

粒子サイズの計測

マスク性能を計測する一つの重要な指標は、フィルターの性能です。フィルターの性能は、フィルター効率(ろ過捕集率)としてテストされますが、そのろ過捕集率を計る際に用いられる粒子のサイズがフィルター性能と直結してきます。その粒子のサイズは、非常に計測が難しく、様々な単位(指標)が設けられています。

  • Particle UnitsThree Major Units for Particles
  • 粒子のサイズ

    <粒子の単位>

    粒子のサイズ計測では、ミリメートル(mm)、マイクロメートル/ミクロン(μm)、ナノメートル(nm)の単位が使用される。

    • 1mm(ミリメートル)=1000μm(マイクロメートル)
    • 1μm(マイクロメートル/ミクロン)=1000nm(ナノメートル)
  • Measurementcomplication of measurement
  • 粒子の計測

    <微粒子のサイズ計測の難しさ>

    微粒子は実際は立体である。大きな建物の大きさを示すときは、高さ、幅、奥行きの三つの単位で表現される。微粒子も同様に、三次元の物体なので同じように表現すべきであるが、各サイズを厳密に測ることは難しい。

    光学顕微鏡など拡大する方法はあるが、そこで映し出された粒子の画像は2次元であり、その二つの長さを測るまたはその面積を計算することは可能かもしれないが、あくまでも微粒子は立体である。

    この立体の大きさを、次元の異なる長さの単位として表現されていることに留意しなくてはならない。

  • Particle DiameterParticles as Sphere
  • 球としての粒子

    <粒子サイズ=粒子径>

    微粒子のサイズの測定方法としてランダムに置かれた各粒子の各一辺を計測し、それを加算した上で、測定した粒子数で割り返すことで平均値を取り、それを粒子サイズとして考えることができる。

    この計測法は、結果として、形状のばらつきを無視し、各粒子が相似な形状であると仮定したことになる。つまり、この計測法で求められた数値は、計測した粒子群は均一な「球状」の粒子群という仮定のもとで、その球形粒子の直径と同値になる。

    そのため、このような仮定を前提として「粒子サイズ=球の直径」として考えられ、その球の直径ゆえに粒子サイズは「粒子径」と呼ばれる。基本的に、微粒子は球という仮定のもとでサイズ測定が行われていることに留意する必要がある。

    ※そこで、粒子を「球」と仮定するのであれば、一つ一つの粒子のサイズを計測し、平均を取らずとも、一つの粒子の面積や体積から直径を求めることができる。また粒子の運動から直径を求める方法もある。

  • Diameter Unit (1)Particle Size Distribution

    おしゃれ布マスク・ファッション化計画・サージカルマスクイメージ

  • 粒子量からの基準

    <粒子径の単位(1)>

    粒子のサイズ計測のために便宜上、ばらつきのある形状をすべて「球形(相似)」と仮定し、粒子サイズを粒子の直径(粒子径)として表現できるとしても、その粒子径は均一ではない。

    様々な大きさの粒子が作る粒子群(集合体)では、粒子径が整っている粒子(粒子径標準粒子:ポリスチレン粒子など)を除いて、粒子径にはバラつきがある。大きさが異なる粒子の粒子群では、どのようなサイズの粒子径によって構成され、また各粒子径はどれくらいの割合を占めているのかを計測必要がある。

    その計測によってどのような粒子径がどれぐらいの割合で分散しているかを粒子径分布(粒度分布)という。

    この粒子径分布において、粒子群全体の中で、特定サイズの各粒子径(μm)が占める割合(頻度:%)を頻度分布という。また、粒子群全体の中で、特定の粒子径までの積算量(特定サイズまでの積算量)が占める割合(積算:%)を積算分布という。

    またこの割合を測定するに当り、全粒子量に対する各粒子径の占める割合を計測する基準が必要となる。その粒子量は主に、粒子個数、粒子質量、粒子体積などの基準で決定され、その基準の取り方によって、分散状態(分布形状)は異なる。

    • 数量径(count diameter):「個数」の場合は数量基準(全個数の中で各粒子径の占める個数の割合)
    • 質量径(mass diameter):「質量」の場合は質量基準(全質量の中で各粒子径の占める質量の割合)
    • 体積径(volume diameter):「体積」の場合は体積基準(全体積の中での各粒子径の占める体積の割合)

    どのような目的のためにどのような基準に依拠することが妥当なサイズ判断なのか、考慮する必要がある。

    参照元:
    ※J-STAGE:"粒度測定入門"
    ※日本粉体工業技術協会:"粉体技術者のための粉体入門講座"

  • Diameter Unit (2)Particle Size Distribution

    おしゃれ布マスク・ファッション化計画・サージカルマスクイメージ

  • 平均値からの基準

    <粒子径の単位(2)>

    粒子のサイズを計測するに当り、頻度分布や積算分布を計測できたとしても、粒子径を明確に定義したことにはならない。

    そこで、その粒子径の分布をもとに、分布の特徴を表す代表値を確定し、その代表値とされた粒子径を、その粒子群の一粒あたりのサイズとして確定する。この代表値の取り方は代表的なもので以下のような基準がある。

    • 算術平均径(arithmetic mean diameter):粒子個数が明確な場合に限り算出できる値で、全粒子径の合計から粒子個数で割り返した平均値
    • モード径(mode diameter):最も多くの割合を占める最高頻度の粒子径(頻度分布に依拠)
    • 中位径(median diameter):全粒子量に対し積算量50%を占める粒子径でメディアン径、50%径とも呼ばれる(この径を境に小さい側と大きい側が等しい量になる:積算分布に依拠)

    この体表地も、その粒子量の基準の取り方、粒子個数、粒子質量、粒子体積などによって異なる。

  • 参照元:
    ※J-STAGE:"粒度測定入門"
    ※日本粉体工業技術協会:"粉体技術者のための粉体入門講座"

  • Diameter Unit (3)Aerodynamic Diameter
  • 空気動力学的粒径

    <粒子径の単位(3)>

    大気中に浮遊する粒子状物質は、その密度が異なると、同一粒径であっても動きが異なる。

    例えば、遠心分級機を利用して、円盤を回転させ円盤の外側から内側にむけてエアロゾル化した試験粒子を含む気流を流し、粒子を円運動させることで遠心力を作用させると、遠心力(外へ向かう力)と流体抗力(内へ向かう力)が対抗した状態になる。

    このとき、より密度が高い粒子(より重い粒子)は遠心力により外側に排出され、密度が低い粒子(軽い粒子)は遠心力の影響を受けることなく気流の流動に同伴されて円盤の内側に流入していく。同一粒子径であっても、粒子密度が、粒子の挙動に影響を及ぼす。

    そのため大気中に浮遊する粒子の測定において、密度の異なる粒子状物質の特性を比較するために、粒子の密度を水の密度1g/cm3 に換算して計算しなくてはならない。その密度を調整された粒径は空気動力学的粒径と言われる。一般に、大気中の粒子状物質の振る舞いを考える場合、この空気動力学的粒径」が使われる。

    • 空気動力学的粒径(aerodynamic diameter):密度の異なる粒子状物質の特性を比較するために、粒子の密度を水の密度1g/cm3 に調整された密度を持つ粒径

    質量中位径(MMD:mass median diameter)→空気動力学的粒径質量中位径(MMAD:mass median aerodynamic diameter)の変換式

    MMAD = MMD×√p
    p=p[p]/(p[0]×Y)

    ※p:調整粒子密度(kg/m3)
    ※p[p]:粒子密度(the density of particles:kg/m3)
    ※p[0]:基準密度・水(the density of standard spherodial particles-water:1000kg/m3)
    ※Y:変動因子(the dynamic shape factor of particles below:)
    <Table for Y>
    Y-Spherical:1.00("DOP" is closest to a Spherical)
    Y-Cubic:1.08("NaCL" is closest to a Cube)
    Y-Coal Dust:1.05-1.11
    Y-Quartz Dust:1.36
    Y-Sand Dust:1.57
    Y-Talcum Poweder Dust:1.88

    参照元:
    ※環境イノベーション情報機構"空気動力学的粒径"
    ※J-STAGE:"粒度測定入門"
    ※日本粉体工業技術協会:"粉体技術者のための粉体入門講座"

  • Diameter Unit (4)Practical Particle Size Unit
  • 粒子径単位

    <粒子径単位のまとめ>

    上記の解釈に基づくと、粒子のサイズは粒子径として表現され、粒子径の単位は 二つの基準+αの組み合わせによって表現される。以下に代表的な粒子径単位を記しておく。

    • 数量基準:数量算術平均系/数量モード径/数量中位径
    • 質量基準:質量質量モード径/質量中位径/空気動力学的粒径質量中位径
    • 体積基準:体積質量モード径/体積中位径

    一般に、大気中の粒子状物質の振る舞いを考える場合、空気動力学的粒径質量中位径が使用される。PM2.5などの指標やサージカルマスク、レスピレーターの認証試験における基準、試験粒子などの規定などは、この空気動力学的粒径質量中位径が使用されている。

Certified Masks

認証マスクの検証

認証マスクとして、FDA認証のサージカルマスク、NIOSH認証のレスピレーターは、どれほどの性能を有しているのか、またそれぞれの認証テストは、どのような基準のテストなのかを第三者検証機関の資料を参照しながら検討する。

  • A QuestionPosing a Question
  • 認証マスクにおける問題点

    <問題提起>

    マスクの認証とマスク性能を検査するテスト基準は、マスク性能を保障するために必要不可欠である。しかし、サージカルマスクとレスピレーターの認証機関、認証基準が異なるため、二つの認証を超えて、統一したマスク性能は判断できていない。唯一、二つの認証を受けた証として、サージカルN95レスピレーターがあるが、 これはあくまでもN95レスピレーターの認証を受けた後で、サージカルマスクの認証を受けたマスクであり、その逆パターン、つまりサージカルマスク認証を受けたもので、レスピレーターの審査基準で性能テストを行ってはいない。そこで、サージカル認証を受けたマスクをレスピレーターの審査基準でろ過捕集テストをした場合、逆にレスピレーター認証を受けたマスクをサージカル認証の審査基準でろ過捕集テストをした場合は、どのような結果がでているのであろうか。

  • Test StandardsThree Test Standards
  • 三つのテスト基準

    <三つのテスト>

    マスクの認証機関は当サイトでは三つの組織に焦点を当てている。一つはサージカルマスク認証を与えているFDA、一つはレスピレーターマスク認証を与えているNIOSH、もう一つは厚生労働省である。厚生労働省の防塵マスク認証基準は、多少の違いこそあれ、NIOSHレスピレーターと類似するため、ここでは、サージカルマスク認証のテスト基準であるBFEとPFEとレスピレーター認証のNaClテストに焦点を当てる。

    <FDA:BFE:サージカルマスク認証>

    細菌ろ過効率(BFE:Bacterial Filtration Efficiency)テストのことで、エアロゾル化した粒径約3.0細菌(黄色ブドウ球菌)を試験粒子としたろ過捕集効率を測定するテスト。

    <FDA:PFE:サージカルマスク認証>

    粒子ろ過効率(PFE:Particulate Filtration Efficiency)テストのことで、粒径平均0.1μmの微粒子、ポリスチレンラテックス球を試験粒子としたろ過捕集効率を測定するテスト。

    <NIOSH:NaClテスト:レスピレーター認証>

    粒子ろ過効率テストのことで、粒径0.3μmの微粒子である塩化ナトリウム(NaCL)を試験粒子としたろ過捕集効率を測定するテスト。

    参照元:
    FDA:"Surgical Masks - Premarket Notification"
    FDA:"95 Respirators and Surgical Masks"
    CDC:"N95 Respirators and Surgical Masks"

  • Test ResultsSummery
  • 認証マスク試験結果

    <検証テストについて>

    認証マスクの検証は、Journal Journal of Occupational and Environmental Hygiene(Volume 14, 2017)に掲載された"A comparison of facemask and respirator filtration test methods"(Samy Rengasamy他)で行われた試験結果に基づく。

    <N95レスピレーター>
    • BFE結果:99.8-99.9% / 平均:99.85%
    • PFE結果:99.84-99.98% / 平均:99.85%
    • NaClテスト結果:98.27-99.68% / 平均:98.47%
    <サージカル95レスピレーター>
    • BFE結果:99.8-99.9% / 平均:99.89%
    • PFE結果:99.84-99.98% / 平均:99.93%
    • NaClテスト結果:98.27-99.68% / 平均:98.46%
    <サージカルマスク>
    • BFE結果:97.48-99.80% / 平均:99.11%
    • PFE結果:98.26-98.66% / 平均:98.96%
    • NaClテスト結果:54.72-88.4% / 平均:68.75%

    参照元:
    ※J. Occup. Environ. Hyg.:"A comparison of facemask and respirator filtration test methods"

  • EvaluationInsights into Results
  • 認証マスク評価

    <結果について>

    認証マスクであるN95レスピレーターは、ろ過捕集効率のテストにおいて、BFE、PFE、NaClテストすべてにおいて、98%以上の性能を示している。同様にサージカルN95レスピレーターもすべてのテストにおいて、98%以上の性能を示している。しかし、サージカルマスクは、FDAが規定するサージカル認証基準テスト、BFE、PFEにおいては、それぞれ97%以上、98%以上の数値を示している。しかし、NIOSH基準のNaClテストでは、三つの試験対象すべてが、95Nレスピレーターのろ過捕集基準95%を大きく下回り、54.72-88.4%の値しか示せなかった。

    これから理解すべきことは、FDAが規定するテスト規格が、NIOSH基準のテストに比べると、テスト性能が低いこと、さらにNIOSH基準でのテスト結果から、粒径約0.3μmの微粒子は、サージカルマスクでは防げない可能性があることが示されているということである。

    <問題提起>

    またこのテスト結果から次の疑問が残る。PFEの試験粒子は、粒径0.1μmのポリスチレンラテックス球を用いており、その試験結果は、95%以上のろ過捕集性能を示している。では、粒径0.1μmのウイルスはろ過捕集できるのではないか?

    また、サージカルマスクの使用目的を、粒径0.1μmのウイルスによる感染を防ぐという事ではなく、粒径0.5μmの飛沫感染を防ぐというということに限定してみると、BFEの試験粒子の粒径は3μm、PFEの試験粒子の粒径は0.1μmとすると、その間に位置する粒径0.5μmの飛沫を実際にろ過捕集できているのか?

    <評価/検討>

    NIOSHは、単層繊維濾過理論を援用し、微粒子の粒径において、0.3μmに近いサイズ粒子は、それ以上またはそれ以下の粒径の粒子に比べて、ろ過捕集が難しく、最もフィルターを通過しやすい粒子と予測している。

    粒子には、他の粒子(物質)に付着する力と、そこから分離する力が生じている。付着力は分子間の引力に基づく力(van der Waals力)、液の表面張力による力(液架橋力)、静電気的な力(クーロン力など)などが働く。また分離力は、粒子の持つ質量(重さ)より生じる。粒径が大きくなれば、付着力も高まるが、それ以上に分離力(重力)も大きくなる。この二つの力のバランスが粒子の粘着性(=粘着力-分離力)として理解できる。

    単層繊維濾過理論では、その粘着性がより中立になる状態の粒径が約0.3μmとされている。それより小さい粒子は、その分離力(重力)より粘着力が高まり、そのため、フィルターに粘着してしまうことによってろ過捕集されやすくなる。粒子の持つ拡散/ブラウン運動(diffusion/brownian motion)や静電引力/帯電効果(electrostatic attraction)などの特性によりフィルター繊維に引き寄せられ捕集される。

    逆に大きい粒子は、その質量に応じて分離力(重力)が付着力より大きくなるが、粒径の質量のために、慣性衝突(inertial impaction)、遮断(interception)、重力沈降(gravity sedimentation)などの性質によってフィルターによりろ過捕されやすくなっていく。

    以上の理由より、NIOSHは最悪条件(Worst Case)の基準のひとつとして粒径0.3μmを試験粒子に据えているのだが、そのように考えると、飛沫粒子径0.5μmは、BFE試験粒子径3.0μmとPFE試験粒子径0.1μm以上に、NaClテスト試験粒子径0.3μmに近く、先二つの粒子径以上に捕集が難しいのかもしれない。サージカルマスクは飛沫をどれほどろ過捕集できるのか、検証していく必要がでてくる。

    <最悪条件(Worst Case)について>

    もっともろ過捕集しにくい粒子径として、NIOSHのあげている0.3μmについて、これに反論する資料(※1)がある。この研究によると、100 nm(0.1μm)以下の超微粒子は、微粒子を観測する光度計に反応しにくいとのことで計測が難しいという。また、この100nm以下の超微粒子は帯電繊維からなるフィルターにおいて最も透過しやすい粒子であるという。しかし、一方で、粒径4-30nm(0.004-0.03μm)のエアロゾル化した単分散銀(100nm以下の超微粒子)を用いたテスト(※2)によると、N95及びP100レスピレーターは、単層繊維濾過理論の予想通り、小さな粒径(4nm)に近づくほど、フィルターの透過性は弱まるとの結果を得ている。

    ※1 J Occup Environ Hyg.:"WHAT DOES RESPIRATOR CERTIFICATION TELL US ABOUT FILTRATION OF ULTRAFINE PARTICLES?"
    ※2 J Occup Environ Hyg.:"Filtration Performance of NIOSH-Approved N95 and P100 Filtering Facepiece Respirators Against 4 to 30 Nanometer-Size Nanoparticles"

    参照元:
    ※日本粉体工業技術協会:"粉体技術者のための粉体入門講座"
    ※Aerosolpedia:"エアロゾル用語集"
    ※環境省:"生体内沈着と体内動態に関する知見の整理"

  • Test SpecificationComparing Test Specification
  • 三つのテスト基準

    テスト名 BFE PFE NaCl Test
    認証機関 FDA NIOSH
    テスト基準 ASTM F2101 ASTM F2299 NIOSH
    認証対象 サージカルマスク
    (Class1)
    N95
    レスピレーター
    試験粒子 黄色ブドウ球菌 ポリスチレンラテックス球 塩化ナトリウム(NaCl)
    粒子径
    (μm)
    MMAD
    3.0±0.3
    MMAD
    0.1
    CMD
    0.075±0.020
    (≒MMAD約0.34)
    呼気抵抗
    (㎜H2O/㎝2)

    4.0

    35(mmH2O)
    排気抵抗
    (mmH2O)

    25
    風速/気流量 風速0.5~25(cm/秒) 気流量85±4(L/分)
    ろ過率
    認証基準
    95%以上 95%以上
  • Test ResultsComparing Filtering Efficiency
  • 三つのテスト結果

    テスト名 BFE PFE NIOSH NaCl
    テスト基準 ASTM F2101 ASTM F2299 NIOSH
    マスク 捕集率(%) 平均 捕集率(%) 平均 捕集率(%) 平均
    1:N95 99.9 99.85 99.88 99.85 98.87 98.47
    2:N95 99.9 99.99 99.66
    3:N95 99.62 99.74 98.15
    4:N95 99.9 99.93 99.32
    5:N95 99.9 99.94 99.31
    6:N95 99.9 99.86 99.33
    7:SN95 99.8 99.89 99.97 99.93 98.93 98.46
    8:SN95 99.86 99.98 99.68
    9:SN95 99.9 99.84 98.27
    10:SM 98.12 99.11 98.26 98.96- 54.72 68.75
    11:SM 99.8 88.4
    12:SM 97.48 98.66 63.12

    N95:N95レスピレーター
    SN95:サージカルN95レスピレーター
    SM::サージカルマスク

Household Masks

家庭用マスクの検証

日常用に販売されている家庭用マスクとして、サージカルマスク、不織布フェイスマスク、型抜きマスク、布マスクなど、市販されているマスク性能を検討する。

  • A QuestionPosing a Question
  • 家庭用マスクの検証

    <問題提起>

    新型コロナウイルスによる世界的な感染を踏まえ、FDAを始め、感染症関係の専門医療機関や研究所からマスク着用の必要性が謳われ、日常生活の中でマスクの役割とその効果が認識され始めている。確かに、特定の認証機関より認証を受ける必要があるサージカルマスクやレスピレーターのマスク性能は多くの研究で検証されている。では実際に、サージカルマスクという名称で販売されているマスクは、どれほどの性能を有しているのか、また、認証を受けていない市販マスク、不織布マスク、家庭用や日常生活の一部として使用されるフェイスマスクはどれほどの性能を有しているのか。そこで、一般的に市販されているマスク、日常使いとして販売されているフェイスマスクの素材としていくつかの代表的な生地(布素材)のレポートを報告する。

Commercial Surgical Masks

市販サージカルマスクの検証

  • Test-1検証-1
  • 検証-1

    <市販サージカルマスクの検証>

    サージカルマスクの素材特性とBFEの関係」レポートでは、米国にて市販されているサージカルマスクの仕様詳細と二種類の細菌ろ過効率(BFE:Bacterial Filtration Efficiency)テスト結果が報告されている。

    <市販サージカルマスクのテスト様式>
    • 合成血液による耐水性テスト:
      ASTM F1862(FDAサージカルマスク認証基準)に準じる。
    • 細菌ろ過効率テスト(BFE):
      ASTM F2101(FDAサージカルマスク認証基準)に準じる。
    • 試験細菌-1:
      エアロゾル化した粒径0.5-1.0 μmの黄色ブドウ球菌を使用。
    • 試験細菌-2:
      エアロゾル化した長さ2.0-6.0μmの大腸菌を使用。
    • ろ過効率(FE):
      ろ過無のコロニー数(C)とろ過有のコロニー数(T)の比較。
    • ろ過効率計算式:
      FE(%)=(C-T)/C×100
    <試験マスク>
    • マスク-1(結びつけタイプ):
      商品説明:プリーツ状の三層構造、表面はレーヨン素材、裏面はポリプロピレン素材。
    • マスク-2(通常タイプ(ブルー)):
      商品説明:プリーツ状の三層構造、セルロースポリプロピレン素材、ポリエステル素材。
    • マスク-3(ソフトループ・特別保護機能タイプ):
      プリーツ状の三層構造、ポリプロピレンとエチレンアクリル酸メチル融合のセルロース繊維素材。
    • マスク-4(Aseptex耐水タイプ):
      成型レーヨンとアクリルバインダー・ポリプロピレン融合素材。
    • マスク-5(Surgine II円錐マスク):
      成型ポリプロピレンとセルロース繊維融合ポリエステル素材。
    • マスク-6(サージカルグレード円錐マスク):
      成型ポリプロピレン素材。

    参照元:
    ※Journal of Textile and Apparel:"The Relationship of Fabric Properties and Bacterial Filtration Efficiency for Selected Surgical Face Masks"

  • EvaluationTest-1
  • 検証-1:評価

    <評価(1):空孔サイズ>

    空孔サイズについて、サージカルマスクの空孔とは、空気を通す繊維と繊維の目のことで、このサイズはマスクメーカーによってばらつきがあるが平均すると空孔サイズは29.66μmとなる。

    マスク-3の最大空孔が27.19μmに対し、マスク-5は146.6μmとなっており約5倍の開きがあり、これがそのままマスク性能(BFE)に反映され、マスク-3は黄色ブドウ球菌92.19%、大腸菌99.34%ろ過捕集しているのに対し、マスク-5が黄色ブドウ球菌84.82%、大腸菌95.73%と、全メーカーの中で最低値を示している。

    <評価(2):試験細菌の違い>

    どのメーカーのサージカルマスクも、黄色ブドウ球菌より大腸菌のBFE値が高く、これは細菌のサイズの影響であり、より大きな大腸菌の方がろ過捕集されていると考えられる。

    <評価(3):人工血液耐浸透性>

    人工血液耐浸透性については、メーカーによる差が出た。マスク-1、2、3は耐水性は弱く、4、5、6は強いといえる。これは使用している素材そのものの耐水性が結果として表れていることが予想される。

    <評価のまとめ>

    サージカルマスクは、メーカーによって性能の差が見られる結果となっている。しかし、サージカルマスクの認証において、粒径平均3.0±0.3μmの黄色ブドウ球菌を用いたテストで95%以上という基準を満たさなければならないのに対し、規定以上の粒径0.5-1.0 μmの黄色ブドウ球菌を使用してもなお最高で92.19%(マスク-3)という数値しか出なかった。

    この検証で用いられたマスクメーカーの製品にしか指摘できないことだが、この検証結果より、テストで用いられたサージカルマスクは、サージカルマスクと呼ぶにはふさわしくない性能しか持ち合わせていない。他メーカーの普通に市販されているサージカルマスクにもこのような基準に満たない製品が含まれていることが予想される。

  • ResultTest-1
  • 検証-1:結果

    テスト項目 空孔サイズ
    (μm)
    血液耐浸透性
    透過率(%)
    BFE(%)
    マスク 平均 最大 噴射圧
    80
    (mmHg)
    噴射圧
    120
    (mmHg)
    噴射圧
    160
    (mmHg)
    黄色
    ブドウ球菌
    標準偏差
    大腸菌
    標準偏差
    1 23.97 41.74 70 0 0 91.09
    (0.08)
    98.53
    (0.01)
    2 19.29 43.27 100 100 50 88.18
    (0.04)
    97.26
    (0.01)
    3 16.9 27.19 100 100 100 92.19
    (0.03)
    99.34
    (0.01)
    4 35.06 87.74 0 0 0 90.72
    (0.03)
    99.10
    (0.01)
    5 51 146.6 0 0 0 84.82
    (0.01)
    95.74
    (0.03)
    6 31.72 92.12 0 0 0 86.4
    (0.05)
    99.73
    (0.00)

Cloth Materials

布素材の検証

  • Test-2検証-2
  • 検証-2

    <布素材の検証>

    コットンガーゼを含む布製のフェイスマスクの使用目的は、主に飛沫の拡散予防と言われている。しかし、飛沫対策としてだけではない、感染予防としての効果に対しては、情報が非常に少ない。そこで、様々な粒径の粒子に対して、いくつかの布素材のろ過捕集能力の検証を行ったレポート「布製マスクで使用される素材のろ過捕集効率」を報告する。

    <布素材のテスト様式>
    • 試験粒子:塩化ナトリウム(NaCl)
    • 試験粒径(グループ1):0.01-0.3μm
    • 試験粒径(グループ2):0.3-6μm
    • 気流量(1):1.2CFM※1(0.1m/s)≒~35 L/min
    • 気流量(2):3.2CFM※2(0.26m/s)≒~90 L/min
    • ろ過効率(FE):ろ過前濃度(Cu)とろ過後濃度(Cd)の比較
    • ろ過効率計算式:FE(%)=(Cu-Cd)/Cu×100
    • 測定時間:1分
    • 隙間調整(気流漏れ):漏れ有の場合―密着エリアの0.5-2%
    <試験素材>
    • コットンキルト:二層120TPIコットン(中綿:綿90%、ポリエステル5%、他5%)
    • キルト用コットン(80TPI)※3:綿100%
    • コットン(600TPI):綿100%
    • フランネル:綿65%、ポリエステル35%
    • シフォン:ポリエステル90%、スパンデックス10%
    • シルク:シルク100%
    • 合成シルク:ポリエステル100%
    • サテン:ポリエステル97%、スパンデックス3%

    ※1,2 CFM(cubic feet per minute):気流量の単位。1.2CFMは安静時の呼吸速度、3.2CFMは適度な運動時を想定。
    ※3 TPI(threads per inch):一インチ当たりの糸数。数値が多いほど糸数が多く、より目の詰まった細かい素材を示す。

    参照元:
    ※ASC:"Aerosol Filtration Efficiency of Common Fabrics Used in Respiratory Cloth Masks"
    ※ASC:"Supporting Information"

  • EvaluationTest-2
  • 検証-2:評価

    <評価(1):N95レスピレーター>

    NIOSH認証マスクであるN95レスピレーターは、他の布製マスクに比べると極めて高いろ過捕集効率を示している。しかし、マスクとの密着性が弱い場合は、N95レスピレーターであっても、ろ過捕集効率は下がってしまう。また、N95レスピレーター以外は、呼気抵抗が高い環境(適度な運動時)では、捕集効果が落ちてしまうことがわかる。

    <評価(2):サージカルマスクとコットン>

    FDA認証マスクであるサージカルマスクは、比較的高い数値を示しているが、気流量1.2 CFMのテストにおける粒径0.3μm以下の粒子、および気流量3.2 CFMの対しては、粒径0.3μm以上および粒径0.3μm以下の粒子に対しても、コットンキルトより数値が下回った。さらに、コットン(600 TPI)の1層及び2層も、サージカルマスクの性能と近しい値となっている。コットンキルトおよび繊維の網目が細かく(糸数が多く)空孔率が低い(空孔サイズが小さい)コットンであれば、サージカルマスクの代用として機能することが予想される。

    <評価(3):静電フィルター>

    静電フィルターとは、静電引力の効果を備えた素材。この検証レポート内で指摘されていることではあるが、シルク、シフォン、フランネルなどは適度な静電気放電の特性を有しており、この特性により静電引力の効果が生じる。この効果によって、より小さい粒子のろ過捕集対しての有効性が観察されている。テスト結果からも4層シルクまたは2層シフォンは、特に粒径0.3μm以下の粒子を(0.3μm以上の粒子数量以上に)効果的に捕集している。

    <評価(4):メカニカルフィルター>

    メカニカルフィルターとは、繊維/素材構造の力学的作用による捕集能力を持つフィルター。ある程度の大きさ(0.3μm以上)の粒子に効果的な捕集能力を持つ。これは粒子自体の重さから生じる慣性衝突(Inertial impaction)、遮断/さえぎり(interception)、重力沈降(sedimentation)などの微粒子の特性を利用して能率的にろ過捕集するフィルターで、繊維の網目が細かく、空孔率が低い(空孔サイズが小さい)素材。コットン(600 TPI)などがこれに当たる。しかし空孔サイズをすり抜けてしまうような超微粒子や質量が軽く慣性衝突、遮断/さえぎり、重力沈降などの粒子特性を持たないナノ粒子は、メカニカルフィルターでは捕集は難しい。

    <評価(5):ハイブリッド>

    検証(3)と(4)で述べたように、より小さい粒子を効率的に捕集する素材とより大きい粒子に向いている素材では、その素材の持つ機能性が異なる。その異なる機能性の相乗効果をテストしたものが重ね合わせたものがハイブリッドのテストである。安静時での気流量でしかテスト結果が見られないが、コットン/シフォン、コットン/シルク、コットン/フランネルどれをとっても、試験粒子径全体に対して高い捕集効果が見て取れる。

    <検証まとめ>

    様々な生地でのろ過捕集テストは、布製フェイスマスクの今後の可能性を広げる結果となっている。N95レスピレーターとまでは言えないが、サージカルマスクに引けを取らない捕集効果は期待してもよいのではないか。それぞれの素材の特性を活かすハイブリッドを検討することで、より捕集効果が高い布製マスクが期待される。また布製の立体マスクの開発などを通じて、気流漏れ予防に向け、顔へのフィット性を高めていけば、飛沫感染防止だけではなく、外気の吸引に対する細菌やウイルスのろ過捕集効果も期待していってよいのかもしれない。

  • MaterialTest-2
  • 検証-2:布素材

    生地名 空孔率(%) 糸径(μm) 網目幅(μm)
    コットンキルト 20.1 227 300-400
    キルト用コットン
    (80TPI)
    14 270 460-500
    コットン
    (600TPI)
    <1 55-75 70-75
    フランネル 15 300-440 500-650
    シフォン 3 200-250 220-320
    シルク 1.5 180-260 270-500
    合成シルク 3 190-230 440-570
    サテン 11 210 165-520
  • ResultTest-2
  • 検証-2:結果

    気流速度 Flow rate: 1.2 CFM Flow Rate: 3.2 CFM
    テスト項目 ろ過捕集効率(%) 差圧
    呼気抵抗
    ろ過捕集効率(%) 差圧
    呼気抵抗
    マスク/布素材
    0.3μm
    average
    ±error

    0.3μm
    average
    ±error
    ΔP (Pa)
    0.3μm
    average
    ±error

    0.3μm
    average
    ±error
    ΔP (Pa)
    N95 (漏れ無) 85 ± 15 99.9 ± 0.1 2.2 94 ± 5 99.9 ± 0.0 13.2
    N95 (漏れ有) 34 ± 15 12 ± 3 2.2 58 ± 12 64 ± 2 11.9
    サージカルマスク
    (漏れ無)
    76 ± 22 99.6 ± 0.1 2.5 61 ± 16 81 ± 1 11.9
    サージカルマスク
    (漏れ有)
    50 ± 7 44 ± 3 2.5 15 ± 17 10 ± 1 11.9
    コットンキルト 96 ± 2 96.1 ± 0.3 2.7 64 ± 9 82 ± 1 11.5
    キルト用コットン
    (80 TPI)
    (1層)
    9 ± 13 14 ± 1 2.2 14 ± 18 39 ± 4 8.7
    キルト用コットン
    (80 TPI)
    (2層)
    38 ± 11 49 ± 3 2.5
    フランネル 57 ± 8 44 ± 2 2.2 22 ± 14 54 ± 2 10.2
    コットン
    (600 TPI)
    (1層)
    79 ± 23 98.4 ± 0.2 2.5
    コットン
    (600 TPI)
    (2層)
    82 ± 19 99.5 ± 0.1 2.5
    シフォン
    (1層)
    67 ± 16 73 ± 2 2.7 25 ± 12 59 ± 2 13.2
    シフォン
    (2層)
    83 ± 9 90 ± 1 3
    シルク
    (1層)
    54 ± 8 56 ± 2 2.5
    シルク
    (2層)
    65 ± 10 65 ± 2 2.7
    シルク
    (4層)
    86 ± 5 88 ± 1 2.7
    合成シルク 14 ± 14 25 ± 3 11.7
    サテン 14 ± 11 51 ± 2 13.9
    ハイブリッド 1:
    コットン/シフォン
    97 ± 2 99.2 ± 0.2 3
    ハイブリッド 2:
    コットン/シルク
    (漏れ無)
    94 ± 2 98.5 ± 0.2 3
    ハイブリッド 2:
    コットン/シルク
    (漏れ有)
    37 ± 7 32 ± 3 3
    ハイブリッド 3:
    コットン/フランネル
    95 ± 2 96 ± 1 3

Commercial Masks in Japan

日本市販マスクの検証

  • Test-3検証-3
  • 検証-3

    <日本市販マスクの検証>

    今までは米国でのレポートだったが、ここで日本での市販マスクの性能テストを行った東京医療保険大学のレポート「医療用マスクの性能評価・日常用市販マスクとの比較を含む」を報告する。

    <マスクのテスト様式:Nelson Labs(ASTM)>

    保険医療大学が、米国の調査機関、ネルソン研究所へ平均粒子径2.7μmの黄色ブドウ球菌を用いた「細菌ろ過率(BFE)」と「呼気抵抗(差圧)」の検査を依頼し、実際のサージカルマスク、耳ひも付きマスク、ガーゼマスク、型抜きマスク、紙マスクの四種のマスクを調べた。

    • 試験細菌:
      黄色ブドウ球菌
    • 平均粒子径:
      2.7μm
    • 試験施設:
      米国ネルソン研究所(Nelson Laboratories)※1
    <マスクのテスト様式:Chew Test※2
    実際にマスクを付けた被験者が息を吐く(Chewと120回2分間発し続ける)際に、マスクはどれほど細菌をろ過捕集できるかを調査するために行う。外気から進入する細菌に対してのマスク遮断性能を計るためのテストとは異なり、マスクの使用者から発せられるバクテリアの濃度がマスクをした時としない時でどれだけ異なるかを計測するために行われる。

    • 試験粒子:
      マスクを装着した被験者の排気に含まれる細菌
    • ろ過効率(CT-BFE※3):
      マスク無の排気より生じたコロニー数(C)とマスク有の排気より生じたコロニー数(T)の比較
    • ろ過効率計算式:
      CT-BFE(%)=(C-T)/C×100

    ※1 Nelson Labs:FDA登録機関、サージカルマスク認証基準ASTM委員、700以上の微生物学的分析テスト実績、800人の職員、450人の科学者、75以上の専門微生物学者を抱え、世界で13の研究施設を持つユタ州ソルトレイクシティに本社を持つ研究所。ネルソン研究所ではASTM F2100の基準に基づきBFEと差圧テストプログラム「BFE110」が提供されている。

    ※2 本来のテスト名称は「Modified Greene and Vesley Method」でFDAのBFEテストでもASTM F2101とは別に推奨されているテスト基準。こちらのテストは医療保険大学によって行われ、マスクを装着した被験者が「チュー(Chew)」という言葉を2分間で120回繰り返し発するというテストで、主に飛沫拡散をどれだけ抑えられるかを測るテストと考えられる。

    ※3 Chew TestでのBFEは、ネルソン研究所が採用するFDA認証(ASTM基準)のBFEとは異なるため、誤解を避けるためChew Test結果のろ過効率をCT-BFEと表記する。

    参照元:
    ※東京医療保険大学":
    Performance evaluation of masks for medical use ― including the comparison with commercially available masks for general use ― "

  • EvaluationTest-3
  • 検証-3:評価

    <評価(1):Nelson Labs>

    差圧(呼気抵抗)が最も低かった(呼吸がしやすい)のは、型抜きマスクだったが、紙マスクを除く他のマスク差圧値はそれほど高い数値を示さず、比較的呼吸のしやすいフィルターということがわかった。

    紙マスクに至っては、差圧も高くかつ細菌ろ過率(BFE)も低いことから日常使用としても推奨はできない。またサージカルマスクと同レベルのBFE値を示している耳ひも付きマスクの詳細も言及されていないため、日常使用における推奨マスクはこの研究ではやはりサージカルマスクが最も推奨されることになる。

    しかし、BFEの値を見ると、サージカルマスクでさえFDAサージカル認証の最低値(レベル1認証)の95%に届いておらず、サージカルマスクNo.1の80%が最高であった。このレポートで執筆者も注意喚起しているように、特に日用品として販売されているサージカルマスクで、「BFE99%」「黄色ブドウ球菌除去率94.2%」「インフルエンザウイルス99%除去」などが記載されているものがあるが、その性能を期待することは慎重になったほうが良いことが予想される。

    <評価(2):Chew Test>

    飛沫の捕集効率を調べるChewテストにおいて、飛沫の平均粒径は、各マスクの各テスト平均4.9-5.7μm、全マスクの全テスト平均5.3μmとなり、飛沫は一般に言われているように粒径約5μmであることが示されている。

    CT-BFEのテスト結果について言えば、4つの異なるマスク製造会社の不織布サージカルマスクは、CT-BFE値、最低98.94、最高99.59%を記録しており、飛沫粒子はほぼ遮断している。これは、ここでテストされたサージカルマスクは、飛沫拡散防止という点については効果があることが示されている。

    また、型抜きマスク96.01%、紙マスク97.76%と高い数値を示しており、サージカルマスク以外でも飛沫拡散の予防としてはある程度の効果が期待できる結果となっている。

    <評価のまとめ>

    日本で市販されているマスクについて、日本の研究機関におけるテスト結果より、外気からの感染予防については限界があることが示されている。さらいガーゼマスクや型抜きマスクについては、サージカルマスクより更に低い数値が出ていることから、サージカルマスクと同様に感染予防にはつながりにくい。

    しかし、飛沫感染の予防においては、サージカルマスクだけではなく、一般に市販されているマスクでも一定の効果が期待されることが予想される。

  • Result-Nelson LabsTest-3
  • 検証-3:結果(Nelson Labs)

    マスク No. 差圧
    呼気抵抗
    ΔP
    mmH2O
    /cm2
    ΔP平均 BFE
    (%)
    BFE
    平均
    サージカルマスク 1 1.7 1.7 80 74.3
    サージカルマスク 2 1.7 72
    サージカルマスク 3 1.7 71
    耳ひも付きマスク 4 1.3 1.3 71 74.7
    耳ひも付きマスク 5 1.3 77
    耳ひも付きマスク 6 1.3 76
    ガーゼマスク 7 1.3 1.3 50 55
    ガーゼマスク 8 1.5 62
    ガーゼマスク 9 1.2 53
    型抜きマスク 10 0.6 0.6 50 49
    型抜きマスク 11 0.5 42
    型抜きマスク 12 0.6 55
    紙マスク 13 17.3 17.2 39 36.7
    紙マスク 14 16.6 35
    紙マスク 15 17.6 36
  • Result-Chew TestTest-3
  • 検証-3:結果(Chew Test)

    マスク Test No. 平均粒径
    (μm)
    /test
    全平均粒径
    (μm)
    CT-BFE
    (%)
    CT-BFE
    平均
    不織布
    サージカルマスク
    A
    1st 4.9 5.2 99.82 99.34
    2nd 4.9 99.72
    3rd 5.7 98.49
    不織布
    サージカルマスク
    B
    1st 4.9 5.2 99.91 99.59
    2nd 4.9 99.71
    3rd 5.7 99.14
    不織布
    サージカルマスク
    C
    1st 4.9 5.2 99.44 98.94
    2nd 4.9 >99.99
    3rd 5.7 97.39
    不織布
    サージカルマスク
    D
    1st 4.9 5.4 99.67 99.25
    2nd 5.7 98.54
    3rd 5.7 99.53
    型抜きマスク 1st 4.9 5.4 98.79 96.01
    2nd 5.7 93.5
    3rd 5.7 95.75
    紙マスク 1st 4.9 5.4 99.43 97.76
    2nd 5.7 97.68
    3rd 5.7 96.16