マスクの用途と性能を保持するため、フィルターのろ過捕集性能や耐浸透性などの検査ガイドラインなどを設定し、マスク性能を検査する基準を提供している認証機関は大きくは3つに別けられます。「ASTM基準(国際基準)」「NIOSH(米国基準)」「国家検定基準(日本基準)」です。
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International国際基準
Surgical Masksサージカルマスク
認証医療用
防疫FDA採用認証
ASTM基準国際基準
- 詳細 - -
Americanアメリカ基準
N95 Respiratorsレスピレーター
認証医療用
産業用NIOSH採用認証
NIOSH基準アメリカ基準
- 詳細 - -
Japanese日本基準
DS/RSDS/RSマスク
認証産業用
防塵厚生労働省認証
国家検定基準日本基準
- 詳細 -
International Standards
国際基準
「サージカルマスク(Surgical Masks)」の認証を行うアメリカ食品医薬品局(Food and Drug Administration : FDA)が採用する「ASTM基準(国際基準)」です。
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ASTM InternationalRecognized Standards by FDA
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ASTM
<認証対象>
サージカルマスク(FDA採用の認証基準)
<組織>
世界最大規模の国際標準化・基準設定機関であるASTM InternationalによってASTM基準は策定されている。世界的に12,000以上の基準を管理し、140カ国以上がその基準を採用している。本部はアメリカのペンシルバニア州ウェスト・コンショホッケン。
<ミッション/目標>
ASTMはミッションとして次のことを述べている。
- 地球規模で社会が求めているものを提供することで、 ASTMは公共の健康と安全を促進し、消費者の信頼を確保し、全体としての生活の質の向上を追求する。
- 30,000を越す技術的な専門家(メンバー)の協力を通じて、90,000以上もの利用者から支持を得た標準基準を統合し、人々の生活を更に良いものへ、そしてより住みやすい世界への創出へと貢献していく。
<特徴>
基準:12,500+
メンバー:30,000+
参加国:140+
運営年数:120<本部>
100 Barr Harbor Drive
P.O. Box C700
West Conshohocken, PA
19428-2959, USA
Tel: +1-610-832-9500
Fax: +1-610-832-9555参照元:
ASTM International
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サージカルマスクCeared by FDA
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ASTM F2100-19
<サージカルマスク基準>
FDAはASTM F2100-19の性能仕様基準に基づき、医療用マスクの性能についての4項目の標準基準を設けている。
- 細菌ろ過率(%):Bacterial Filtration Efficiency(BFE)
- 微粒子
ろ過率(%):Particulate Filtration Efficiency(PFE) - 差圧/呼気抵抗(㎜H2O/㎝2):Differential Pressure
- 人工血液耐浸透性(㎜Hg):Fluid Resistance
- 燃焼性(class1-class3):Flammability
※ASTM F2100-07[現在有効:Active Standard(Latest Version:F2100-19e1)]
→"Standard Specification for Performance of Materials Used in Medical Face Masks"
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BFEBacterial Filtration Efficiency
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ASTM F2101
<細菌ろ過率(BFE)>
細菌ろ過率は、エアロゾル化した細菌を遮断する力を計るもので、その基準は、Mil- M369454C(軍用基準)、Modified Greene and Vesley Method(サージカルマスク用細菌ろ過率測定方)、ASTM F2101のテスト基準が推奨されている。ASTM F2101テスト基準に基づくと、
- 気流量28.3L/s
- 黄色ブドウ球菌を含む粒径平均3.0±0.3μmのエアロゾル化した微粒子
という条件下で、細菌ろ過率過捕集実験し、マスク素材によってどれくらいの割合で捕集(遮断)されたかで検証される。数値が高いほどろ過捕集力が高く素材性能が良いといえる。
<認証基準>
細菌ろ過率(BFE)におけるサージカルマスクの認証基準は95%以上であり、マスク性能によって三つのランクに分類される。
- レベル1(Lower Barrier):95(%)以上捕集
- レベル2(Moderate Barrier):98(%)以上捕集
- レベル3(High Barrier):98(%)以上捕集
<計算式例>
A=エアロゾル化した細菌数
B=エアロゾル化した細菌をマスク素材でろ過されずに通過した細菌数
BEF(%)=(A-B)/A×100※ろ過捕集率とは、微粒子をどれだけ効率的に遮断できるかの割合。
※1μm=0.001mm(1mmの1000分の1)
※エアロゾル(aerosol)とは、気体中に浮遊する微小な液体または固体の粒子と周囲の気体の混合体。エアロゾル粒子は、その生成過程の違いから粉じん(dust)とかフューム(fume)、ミスト(mist)、ばいじん (smoke dust) などと呼ばれている。
※ASTM F2101[現在有効:Active Standard(F2101-19まで改定)]
→"Standard Test Method for Evaluating the Bacterial Filtration Efficiency (BFE) of Medical Face Mask Materials, Using a Biological Aerosol of Staphylococcus aureus"
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PFEParticulate Filtration Efficiency
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ASTM F2299
<微粒子ろ過効率(PEF)>
FDAによると、ASTM F2100-07(F1215-89)の様式規格に基づき、粒径平均0.1μmの微粒子(ポリスチレンラテックス球:倍率基準として使われる均一な大きさのポリスチレン粒子を推奨)を用いることが推奨されている。またASTM F2299/F2299M-03では風速0.5~25cm/秒のもとでエアロゾル化された粒子を用いることがテスト基準とされる。この条件下で粒径1μm未満の微粒子をどれだけ効率的にろ過捕集されるか(ろ過捕集効率)を評価することでマスクのろ過性能が評価される。
- 風速0.5~25cm/秒
- 粒径平均0.1μm(ポリスチレンラテックス球)
<認証基準>
粒子ろ過率(PEF)におけるサージカルマスクの認証基準は95%以上であり、マスク性能によって三つのランクに分類される。
- レベル1(Lower Barrier):95(%)以上捕集
- レベル2(Moderate Barrier):98(%)以上捕集
- レベル3(High Barrier):98(%)以上捕集
<計算式例>
A=ろ過前の粒子数(上流側粒子数)
B=ろ過後の粒子数(下流側粒子数)
PEF(%)=(A-B)/A×100
(0.1μm粒子を利用)※ろ過効率とは、微粒子をどれだけ効率的に遮断できるかの割合。
※1μm=0.001mm(1mmの1000分の1)
※ASTM F1215-89[1998年撤回:Withdrawn 1998]
→"Test Method for Determining the Initial Efficiency of a Flatsheet Filter Medium in an Airflow Using Latex Spheres"
※ASTM F2100-07[現在有効:Active Standard(Latest Version:F2100-19e1)]
→"Standard Specification for Performance of Materials Used in Medical Face Masks"
※ASTM F2299[現在有効:Active Standard(Latest Version:F2299/F2299M-03)]
→"Standard Test Method for Determining the Initial Efficiency of Materials Used in Medical Face Masks to Penetration by Particulates Using Latex Spheres"
※ASTM F2299では用いる粒径0.1μm~5.0μmとの記述があるがASTM F2100-07における倍率基準として使われているポリスチレンラテックス球を用いた粒径平均0.1μmが推奨されている。
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⊿P-TestDifferential Pressure
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IL-M-36945C
<差圧(呼気抵抗)>
差圧(呼気抵抗)とは、マスク素材の通気性に関する指標で、呼吸のしやすさ、マスク装着時の快適さを示す。差圧とは圧力損失の測定値で、フィルターに空気が通過するとき、空気の流れが妨げられ抵抗が生じるが、この抵抗によってフィルタ入口(上流)の圧力とフィルタ出口(下流)の圧力に差が生まれる。その差を圧力損失という。圧力損失(差圧)が低いと通気性が良く呼吸がしやすくなります。FDAによると米軍基準IL-M-36945Cに基づく検査方法が推奨される。しかし細菌ろ過効率(BEF)や微粒子ろ過効率(PEF)が高まると差圧が大きくなってしまう。
- 気流量8L/分
<認証基準>
差圧(呼気抵抗)テストにおけるサージカルマスクの認証基準は5.0(mmH2O/cm2)以下であり、マスク性能によって三つのランクに分類される。
- レベル1(Lower Barrier):4.0(mmH2O/cm2)以下
- レベル2(Moderate Barrier):5.0(mmH2O/cm2)以下
- レベル3(High Barrier):50mm(mmH2O/cm2)以下
<計算式例>
A=フィルタ前(上流)の圧力(mmH2O)
B=フィルタ後(下流)の圧力(mmH2O)
C=素材の面積(cm2)
⊿P(mmH2O/cm2)=(A-B)/C※テスト条件は一般財団法人カケンテストセンターを参照
※IL-M-36945C[disposable]
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Fluid ResistanceTest for the penetration of blood and body fluids
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ASTM F 1862
<人工血液耐浸透性>
マスクの耐浸透性(どれだけ浸透に耐えうるか)の試験において、ASTM F 1862(人工血液の耐浸透性の評価方法:浸透のスピード評価)のテスト基準を推奨している。噴射機の噴射圧を80→120→160mmHgと上げていき、浸透の度合い、つまり裏面への浸透を観察した上で合格/不合格の判定がされる。各噴射圧において裏面への浸透が確認できた時点での噴射圧が耐浸透性として評価される。
- 人工血液の噴射機から30cmの位置にマスク素材を設置
- 噴射機より人工血液をマスク素材に噴射
- 1回目噴射圧:80mmHg/素材裏面の10秒後の浸透の有無を目視確認
- 2回目噴射圧:120mmHg/素材裏面の10秒後の浸透の有無を目視確認
- 3回目噴射圧:160mmHg/素材裏面の10秒後の浸透の有無を目視確認
<認証基準>
人工血液耐浸透性テストにおけるサージカルマスクの認証基準は80(㎜Hg)であり、マスク性能によって三つのランクに分類される。
- レベル1(Lower Barrier):80(㎜Hg)
- レベル2(Moderate Barrier):120(㎜Hg)
- レベル3(High Barrier):80(㎜Hg)
<計算式例>
耐浸透性(mmHg)=噴射圧(mmHg)
※テスト条件は一般財団法人カケンテストセンターを参照
※ASTM F1862[現在有効:Active Standard(Latest Version:F1862M-17)]
→"Standard Test Method for Resistance of Medical Face Masks to Penetration by Synthetic Blood (Horizontal Projection of Fixed Volume at a Known Velocity)"
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FlammabilityFlammability of clothing and textiles
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16 CFR 1610
<燃焼性>
燃焼性16 CFR 1610(連邦規定コード:織布衣類の難燃性テスト)方式に基づき、Class1からClass3の三段階で評価される。Class1が最も燃えにくく、Class3がより燃えやすい。燃焼時間、燃焼の特徴(炎の勢いなど)に応じてランク付けされる。
<普通繊維>
毛羽立ちが無く平らな面を持つ繊維の燃焼条件によるランク別け。
- Class1(燃難:普通繊維):3.5秒以上
- Class2(中間:普通繊維):---
- Class3(易燃:普通繊維):3.5秒以内
<起毛繊維>
平面ではなく毛羽立ちを持つ繊維の燃焼条件によるランク別け。
- Class1(燃難):7秒以上、または0~7秒でベース部分無燃焼
- Class2(中間):4~7秒
- Class3(易燃):4秒以内
<認証基準>
燃焼性テストにおけるサージカルマスクの認証基準はマスク性能の三つのランクすべてがClass1を求められている。
- レベル1(Lower Barrier):Class1
- レベル2(Moderate Barrier):Class1
- レベル3(High Barrier):Class1
※16 CFR 1610[Code of Federal Regulations / CPSC]参照
※燃焼性テスト様式規格は16 CFR Subpart A - The Standard参照
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ASTM StandardChart
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サージカルマスク認証
FDA採用
ASTM基準レベル1認証
Lower Barrierレベル2認証
Moderate Barrierレベル3認証
High Barrier細菌
ろ過率(%)≧
95≧
98≧
98細菌
試験粒子黄色ブドウ球菌
(エアロゾル化)細菌
試験粒子径
(μm)粒径平均3.0±0.3 微粒子
ろ過率
(%)≧
95≧
98≧
98微粒子
試験粒子ポリスチレンラテックス球
(エアロゾル化)微粒子
試験粒子径
(μm)粒径平均0.1 差圧/呼気抵抗
(㎜H2O/㎝2)<
4.0<
5.0<
5.0血液耐浸透性
(㎜Hg)80 120 160 燃焼性 Class1 Class1 Class1
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ReferrenceInformation Sources
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<参照元>
ASTM International
ASTM: Helping Our World Work Better
FDA:F2100-19(Dec.2019)
FDA: Surgical Masks(Mar.2004)
CPSC:Code of Federal Regulations
日本エアロゾル学界
一般財団法人カケンテストセンター
American Standards
アメリカ基準
「N95レスピレーター(N95 Respirators)」の認証を行うアメリカ国立労働安全衛生研究所(National Institute for Occupational Safety and Health : NIOSH)が採用する「NIOSH基準(アメリカ基準)」です。
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NIOSHNIOSH Standard
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NIOSH
<認証対象>
N95レスピレーター/他レスピレーター(NIOSH認証)
<組織>
NIOSHは、National Institute for Occupational Safety and Health(アメリカ国立労働安全衛生研究所)のことで、業務関連傷害・疾病の防止を目的とした研究および勧告を行う連邦機関である。NIOSHは、米国保健社会福祉省(Department of Health and Human Services: DHHS)管轄下の疾病対策予防センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)の1組織である。本部はワシントンDCに置かれている。
<ミッション/目標>
NIOSHは労働者の安全と健康に関する研究機関で、被雇用者や労働者のために安全で健康的な職場環境を整えると共に、それらに関する情報、教育、研究成果を提供する。
- Goal 1:労働者傷害・疾病の防止、福祉の促進のための研究活動を実施する。
- Goal 2:推奨環境やガイドライン、能力開発などを通じて安全・健康な労働者を育成する。
- Goal 3:世界規模での協力体制を構築し、労働者の安全・健康を強化する。
<本部>
Washington, DC
Patriots Plaza 1
395 E Street, SW, Suite 9200
Washington, DC 20201
Tel: +1-800-CDC-INFO (1-800-232-4636)
Fax: 1-513-533-8347参照元:
NIOSH
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N95レスピレーターApproved by NIOSH
Products:3M N95 Respirators
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Respirators
<レスピレーターの分類>
レスピレーターは、鼻と口を覆う顔に装着する保護具(マスク)で、空気中に浮遊する有害物質(ほこりや感染物資、病原菌などを含む)や煙、ガスの吸引を防ぐために使用する。レスピレーターは大きく二つに峻別される。
- 空気浄化型(Air-Purifying Respirators:APRs):
空気中の微粒子をろ過する「微粒子防御型レスピレーター」と化学薬品やガスをろ過する「ガスマスク」に大別される。 - 空気供給型(Air-Supplying Respirators:ASRs):
外部から圧縮空気を送り込む「送気(空気)管付きレスピレーター」と「呼吸器内蔵型(Self-Contained Breathing Apparatus (SCBA)レスピレーター」に別けられる。
<微粒子防御型レスピレーターの分類>
微粒子防御型レスピレーターは、さらに次の三つのサブカテゴリーに別けられる。
- 微粒子ろ過レスピレーター:
このシリーズは「N95型」に代表されるように、レスピレーターというと一般的にこのシリーズを意味する。また、衛生管理面、過度の使用、物理的な損傷などにより、使用できなくなった場合に、廃棄されることから「使い捨てレスピレーター」とも呼ばれる。
※当サイトでは「レスピレーター」と表記されたものはこの型を示す。 - エラストマー・レスピレーター:
この型は「再利用可能型」と呼ばれており、フィルター部の交換によって継続的にが使用が可能である。 - 電動式レスピレーター:
バッテリー式送風機によってフィルターより空気を送り込む形式のレスピレーター。
参照元:
※CDC:"Respirators"
※CDC:"Respirator Trusted-Source Information" - 空気浄化型(Air-Purifying Respirators:APRs):
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ClassificationVariation of Respirators
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Certified Respirators
<分類条件>
NIOSHにより認証されたレスピレーターは、微粒子のろ過割合に応じて三グループに分類される。
- 95:ろ過率95%
- 99:ろ過率99%
- 100:ろ過率99.97%
さらにフィルターの油成分に対する耐性によっての三グループに分類される。
- N:耐性無し(Not resistant to oil)
- R:耐性有り( Resistant to oil)
- P:耐油性(oil Proof)
例)「N95」レスピレーターは、オイル耐性はないが、少なくとも空気中の微粒子を95%除去できるフィルターを使用して作られていることが認証されているマスクだとわかる。
<レスピレーター一覧>
NIOSH認証レスピレーターは、2つ(ろ過率/油耐性)の分類条件より、9分類(+α)に別けることができる。
- N95:空気中の微粒子を95%ろ過/オイル耐性無し
- N99:空気中の微粒子99%ろ過/オイル耐性無し
- N100:空気中の微粒子を99.97%ろ過/オイル耐性無し
- R95:空気中の微粒子を95%ろ過/油耐性有り
- R99:空気中の微粒子を99%ろ過/油耐性有り
- R100:空気中の微粒子を99.97%ろ過/油耐性有り
- P95:空気中の微粒子を95%ろ過/完全耐油性
- P99:空気中の微粒子を957%ろ過/完全耐油性
- P100:空気中の微粒子を95.97%ろ過/完全耐油性
- サージカルN95:空気中の微粒子を95%ろ過/オイル耐性無し
(FDAによりサージカルマスクの認証も受けたレスピレーター)
参照元:
※CDC:"NIOSH-Approved Particulate Filtering Facepiece Respirators"
※CDC:"Respirator Trusted-Source Information"
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CertificationWorset Case Conditions
-
Criteria
<NIOSH認証条件>
NIOSHによってレスピレーターに認証されるためには、NIOSHテスト/性能様式規格に基づいた試験において様々な条件を満たさなければならないが、その中でいくつかの大切と思われる条件を挙げておく。
- 気流抵抗
- ろ過効率の維持性能
- ろ過率
<呼気抵抗/排気抵抗>
一つの85±2L/分の継続的な気流(試験流量)に対して、吸気抵抗(息を吸い込む際の気流抵抗:気流の流れが外→内へ)はは35mmH2Oを超えてはならず、排気抵抗(息を吐き出す際の気流抵抗:気流の流れが内→外へ)は25mmH2Oを超えてはならない。
- 呼気抵抗:35mmH2O以下
- 排気抵抗:25mmH2O以下
<ろ過性能の維持>
継続的、断続的に関わらず、利用可能時間(8時間)を超えてマスクを利用し続けなければならない場合を考慮し、次の条件を満たす必要があるする。
- 使用制限時間(8時間)を越えても、認証テスト規格のろ過効率レベルを下回ることが無いことを示さなければならない。
- その証明の代替条件として、Nシリーズ、Rシリーズは、承認規格に基づいた試験において(重ね合わせた)フィルターの合計質量が200mg以上でろ過効率テストを受けることもできる
- またPシリーズは、ろ過効率が低下し続ける限り(効率が最低限界に達するまで)フィルターを重ねていき、フィルターの最大質量が明確になるまでテストを観察していく。
- Pシリーズは基本的に、利用時間の制限も油性エアロゾル環境の制限も受けない品質が求められる。
<ろ過捕集率(Filtering Efficiency)>
P100, R100 and N100: ろ過捕集効率 ≧99.97%
P99, R99 and N99: ろ過捕集効率 ≧99%
P95, R95 and N95: ろ過捕集効率 ≧95%<最悪条件(Worst Case):粒子径0.3μmの重要性>
上記のろ過捕集率の基準は、サイズ約0.3μmの試験粒子を用いることが規定されている。そもそも粒子は、他の粒子(物質)と粘着する力と粒子が持つ質量(重さ:重力)による分離力の二つの力が働いており、どちらも大きくなれば、なるほど力が大きくなる。この粘着力と分離力の差が粘着性である。
単層繊維濾過理論によるとその粘着性が中立に近くなる状態の粒径が約0.3μmとされている。0.3μm以下になると、その粒子が持つ質量の分離力以上に粘着力が強く、粘着性が高くなる。また質量が軽いために、気流の影響を受けずらく、ブラウン運動(拡散:空気の流れに関係なくランダムな動き)や静電引力(帯電効果)によって能率的に集められる。
逆に、粒子径0.3μmより大きな粒子は、その質量の大きさのために粘着力以上の分離力が働く。しかし、粒子径が大きくなると、粒子自体の重さから生じる慣性衝突(Inertial impaction)、遮断/さえぎり(interception)、重力沈降(sedimentation)などによって能率的にろ過捕集される傾向にある。
以上の理由により粒子径0.3μmに近いサイズ粒子はろ過捕集が難しく、最もフィルターを通過しやすい粒子と予測される。そのため、最も捕集が難しい粒子径を用いることで、性能テストに厳格性を持たせている。
<粒子径0.3μm以下の捕集>
拡散/ブラウン運動(diffusion/brownian motion):より微細な粒子は、空気の流れに関係なくランダムな動きをしており、拡散とも呼ばれる。この微粒子特性によってにより、フィルター繊維に触れて捕集される。
静電引力/帯電効果(electrostatic attraction):フィルター繊維を電気的に+/-に帯電させ、静電気の引力で粒子を引き寄せ捕集する。
<粒子径0.3μm以上の捕集>
慣性衝突(Inertial impaction):運動しているエアロゾルは慣性を持っているため、流れの急速な方向変化についていけず、フィルター繊維に衝突してしまう。
遮断/さえぎり(interception):フィルター繊維によって方向を変えられた気流に乗って流れる粒子がより細かなフィルター繊維の空孔(粒子半径以内)により遮断され捕集される。
重力沈降(sedimentation):大きな粒子径の(重い)粒子は、自らの重力の影響を受け、気流から外れフィルター繊維上に沈降し捕集される。
※CDC:""Worst Case" aerosol testing parameters"
※Gas Robert R. Raber他 "Fluid Filtration"(p.174)
※J Occup Environ Hyg:""Nanoparticle filtration performance of NIOSH-certified particulate air-purifying filtering facepiece respirators:" (CMD:NaCl約0.055μm→MMAD:NaCl約0.249μm)
参照元:
※42 CFR 84
※42 CFR Subpart K §84.174
※Code of Federal Regulations
※CDC:"'Worst Case' aerosol testing parameters"
※CDC:"'N95 Respirators and Surgical Masks"
※厚生労働省:"安全なナノテクノロジーへのアプローチ: NIOSH との情報交換"
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Test ConditionsFilter Certification Test
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Test Conditions
<NIOSHのろ過効率テスト様式:テスト規定>
IOSHの審査基準は、42 CFR Part 84(連邦規定コード:呼吸器保護装置認可)に記されており42 CFR Part 84 Subpart K(連邦規定コード:非電動式空気浄化型・微粒子ろ過レスピレーター)に審査基準が詳説されている。その中でろ過効率テストの前提規定。
Nシリーズ:N85/N99/N100
- 温度:25±5℃
- 湿度:30±10%
- 気流量:85±4L/分
- テスト時間:ろ過効率が最低になるまで/エアロゾルの付着質量が200±5mgまで継続
- 試験粒子濃度:200 mg/m3以下
- 試験粒子:エアロゾル化した塩化ナトリウム(NaCl:sodium chloride)
- 試験粒子サイズ:CMD 0.075±0.020μm
(MMD 0.175-0.302μm→中間値0.239μm→約0.2μm)
(MMAD 0.247-0.427μm→中間値0.337μm→約0.3μm)
Rシリーズ:R85/R99/R100
- 温度:25±5℃
- 湿度:30±10%
- 気流量:85±4L/分
- テスト時間:ろ過効率が最低になるまで/エアロゾルの付着質量が200±5mgまで継続
- 試験粒子濃度:200 mg/m3以下
- 試験粒子:エアロゾル化したフタル酸ジオクチル(DOP oil:dioctyl phthalate)
- 試験粒子サイズ:CMD 0.185±0.020μm
(MMD 0.320-0.398μm→中間値0.359μm→約0.4μm)
(MMAD 0.318-0.395μm→中間値0.35μm→約0.3μm)
Pシリーズ:P85/PR99/P100
- 温度:25±5℃
- 湿度:30±10%
- 気流量:85±4L/分
- エアロゾルのエアロゾルの付着質量が200±5mgに至っても、ろ過効率が低下し続ける限り(効率が最低限界に達するまで)テストは継続
- 試験粒子濃度:200 mg/m3以下
- 試験粒子:エアロゾル化したフタル酸ジオクチル(DOP oil:dioctyl phthalate)
- 試験粒子サイズ:CMD 0.185±0.020μm
(MMD 0.320-0.398μm→中間値0.359μm→約0.4μm)
(MMAD 0.318-0.395μm→中間値0.35μm→約0.3μm)
NOTE-1)粒子径(粒子サイズ)について:
CDCでは試験粒子径約MMAD 0.3 μmと言及されている一方で42 CFR Subpart Kでは、試験粒子径CMD 0.185±0.020μmと記載されている。粒子径の単位が異なるために数値が異なっているが単位変換式※1で計算するとNシリーズ用試験粒子(NaCl)はMMAD約0.3μmとなり、R、Pシリーズ用試験粒子(DOP)はMMAD約0.3μmとなる。通常、技術的に粒子径と言えば、このMMADの単位が使われることが多い。
※1 単位変換式
LOGNORMAL CONVERSION EQUATIONS
MMD = CMD×exp(3[log^2]GSD) / MMD = CMD×exp(3[logGSD]^2)
p=p[p]/(p[0]×Y)
MMAD = MMD×√p
※CMD:count median diameter:数量中位径(μm)
※MMD:mass median diameter:質量中位径(μm)
※MMAD:mass median aerodynamic diameter:空気力学的質量中位径(μm)
※GSD:geometric standard deviation:幾何標準偏差(Qg)
―NaCL:1.86Qg
―COP:1.60Qg
※p:調整粒子密度(kg/m3)
※p[p]:粒子密度(the density of particles:kg/m3)
―NaCL:2164kg/m3
―COP:985kg/m3
※p[0]:基準密度・水(the density of standard spherodial particles-water:1000kg/m3) ※Y:変動因子(Dynamic Shape Factor)
Classification by perticle geometry or type of dust
―Spherical:1.00("DOP" is closest to a Spherical)
―Cubic:1.08("NaCL" is closest to a Cube)
―Coal Dust:1.05-1.11
―Quartz Dust:1.36
―Sand Dust:1.57
―Talcum Poweder Dust:1.88参照元:
※U.S. Environmental Protection Agencys:"PDFダウンロード資料"
※防衛省規格:"生物剤防護性能試験評価方法"
※J Occup Environ Hyg:"WHAT DOES RESPIRATOR CERTIFICATION TELL US ABOUT FILTRATION OF ULTRAFINE PARTICLES?" ※William C. Hinds:"Aerosol Technology" (Table3.2.)NOTE-2)マスクのフィット性(密着性)について:
CDCでは認証レスピレーターの性能に関して、マスクのフィット性の重要視している。CDCはマスク使用者に対しできる限りマスクとのフィット感を高める(漏れを防ぐ)ようにすることを推奨しているが、そのフィット性については利用者にゆだねている。特にフルフェイスではなく、ハーフフェイス(鼻と口を覆う仕様)の使い捨てレスピレーターなどは、鼻とあごの形状が個人それぞれ異なるため、密着性を確保することが難しく、レスピレーターのデザインや形状の慎重な選定が必要となることを述べている。※2 また微粒子防御型レスピレーターに分類される電動式レスピレーターについては、フィット性テストの基準※3を設けているが、N95に代表される使い捨て微粒子ろ過レスピレーターについては、フィット性テストの規定はない。
※2 CDC:"N95 Respirators and Surgical Masks"
※3 CDC:"42 CFR Subpart K §84.176"参照元:
※42 CFR 84
※42 CFR Subpart K §84.174
※Code of Federal Regulations
※MMD:"N95 Respirators and Surgical Masks"
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NIOSH StandardChart
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レスピレーター認証
NIOSH基準 Nシリーズ
Not
Resistant to OilRシリーズ
Resistant to OilPシリーズ
Oil Proof名称 N95 N99 N100 R95 R99 R100 P95 P99 P100 粒子ろ過率
(%)≧
95≧
99≧
99.97≧
95≧
99≧
99.97≧
95≧
99≧
99.97油耐性 無 有 完全 呼気抵抗
(mmH2O)<35 排気抵抗 <25 試験粒子 塩化ナトリウム
(NaCl)フタル酸ジオクチル
(DOP)試験粒子径
(μm)CMD 0.075
±0.020
≒MMAD 約0.34CMD 0.185
±0.020
≒MMAD 約0.35試験粒子濃度
(mg/m3)≦200 気流量
(L/分)85±4
Japanese Standards
日本カ基準
「防じんマスク-DS/RS」の認証を行う厚生労働省(Ministry of Health, Labor and Welfare : MHLW)が採用する安全性と国際整合性を求めた日本の国家検定規格です。
-
厚生労働省国家検定規格
-
国家検定規格
<認証対象>
防じんマスク-マスクDS/RS
<組織>
厚生労働省(Ministry of Health, Labor and Welfare : MHLW)は「国民生活の保障及び向上を図り、並びに経済の発展に寄与するため、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進並びに労働条件その他の労働者の働く環境の整備及び職業の確保を図ること」(厚生労働省設置法第3条第1項)を目的として発足した日本の行政機関の一つ。
<ミッション/目標>
厚生労働省は、「国民生活の保障・向上」と「経済の発展」を目指すために、社会福祉、社会保障、公衆衛生の向上・増進と、働く環境の整備、職業の安定・人材の育成を総合的・一体的に推進します。少子高齢化、男女共同参画、経済構造の変化などに対応し、社会保障政策と労働政策を一体的に推進します。
- 基本方針 1:「国民が主役。しっかり伝え、ともに考えます。」国民とともに国民生活について考えていく
- 基本方針 2:「ひと、くらし、みらいのために。」現在だけでなく未来にわたって人や暮らしを守る。
- 基本方針 3:、「全員参加型社会」、「ディーセント・ワーク」の実現。
<所在地>
〒100-8916
東京都千代田区霞が関1-2-2
中央合同庁舎第5号館
電話:03-5253-1111参照元:
厚生労働省
-
防じんマスクD-R/S-L認証
-
D-R/S-L
<防塵マスクの分類>
防塵マスクD-R/S-Lは、国家検定規格によって厚生労働省より認証された産業用マスク。国家検定規格は、労働者の安全と衛生についての基準を定めた日本の法律である労働安全衛生法に基づく。D-Rの評価基準で二グループに分類され、S-Lの評価基準により二グループに分類される。さらに微粒子のろ過捕集効率によって三グループに分類される。
<D-R評価基準による分類>
使い捨てか継続的に使用できるかの視点による評価基準により分類される。
- Dタイプ(Disposable):使い捨て式防塵マスク
その名の通り、衛生管理面、過度の使用、物理的な損傷などにより、使用できなくなった場合に、廃棄されるマスク。 。 - Rタイプ(Replaceable):取替え式防塵マスク
マスク本体の主要部は継続的に使用でき、メカニカルフィルターや静電フィルターは交換式になっている。交換式フィルター部のみを交換することにより継続的に使用できるマスク。
<S-L評価基準による分類>
耐水性、油耐性が有るか無いかの視点による評価基準により分類される。
- Sタイプ(Solid Particles):固体粒子のみ対応の防塵マスク
水分を含む微粒子やオイルミスト(エアロゾル化した油分を含む微粒子)が存在しない環境で推奨される微粒子ろ過型の防塵マスク。 。 - Lタイプ(Liquid Particles):固体粒子と液体粒子対応の耐水、耐油性の防塵マスク
水分を含む微粒子やオイルミスト(エアロゾル化した油分を含む微粒子)の作業現場で推奨される耐水、油耐性のある微粒子ろ過型の防塵マスク。
<ろ過捕集効率による分類>
ろ過捕集効率によって三つのグループに分類される。
- 区分3:99.9%以上のろ過捕集性能
ろ過捕集テストにおいて、試験粒子を99.9%以上ろ過捕集できる性能を持つ防塵マスク。 - 区分2:95%以上のろ過捕集性能
ろ過捕集テストにおいて、試験粒子を95%以上ろ過捕集できる性能を持つ防塵マスク。 - 区分1:80%以上のろ過捕集性能
ろ過捕集テストにおいて、試験粒子を80%以上ろ過捕集できる性能を持つ防塵マスク。
参照元:
厚生労働省:"防じんマスクの新規格の概要及びその対応について" - Dタイプ(Disposable):使い捨て式防塵マスク
-
ClassificationVariation of Dust Masks
-
Certified Dust Maks
<防塵マスクの種類>
国家検定規格に適合した厚生労働省認証防塵マスクは以下の三つの評価基準によって分類されている。
- 評価基準1:使い捨て式(Dタイプ)/取替え式(Rタイプ)
- 評価基準2:油耐性無し(Sタイプ)油耐性有り(Lタイプ)/
- 評価基準3:微粒子ろ過捕集性能・区分1(80%)区分2(95%)区分(99.99%)
<防塵マスク一覧>
三つの評価基準による分類条件により、認証防塵マスクは、12分類に別けることができる。
- DS-1:使い捨て式/油耐性無し/微粒子を80%ろ過
- DS-2:使い捨て式/油耐性無し/微粒子95%ろ過
- DS-3:使い捨て式/油耐性無し/微粒子を99.9%ろ過
- DL-1:使い捨て式/油耐性有り/微粒子を80%ろ過
- DL-2:使い捨て式/油耐性有り/微粒子を95%ろ過
- DL-3:使い捨て式/油耐性有り/微粒子を99.9%ろ過
- RS-1:取替え式/油耐性無し/微粒子を80%ろ過
- RS-2:取替え式/油耐性無し/微粒子95%ろ過
- RS-3:取替え式/油耐性無し/微粒子を99.9%ろ過
- RL-1:取替え式/油耐性有り/微粒子を80%ろ過
- RL-2:取替え式/油耐性有り/微粒子を95%ろ過
- RL-3:取替え式/油耐性有り/微粒子を99.9%ろ過
参照元:
厚生労働省:"防じんマスクの新規格の概要及びその対応について"
-
CertificationWorset Case Conditions
-
Criteria
<厚生労働省認証条件>
厚生労働省によって認可されるためには、国家検定規格に基づいた試験において様々な条件を満たさなければならない。
- 気流抵抗
- ろ過率(粒子捕集効率)
<呼気抵抗/排気抵抗>
一つの85L/分の継続的な気流(試験流量)に対して、吸気抵抗(息を吸い込む際の気流抵抗:気流の流れが外→内へ)、排気抵抗(息を吐き出す際の気流抵抗:気流の流れが内→外へ)の以下の基準をクリアしなければならない
呼気抵抗
- DS-1/DL-1:60(Pa)以下(排気弁有)/45(Pa)以下(排気弁無)
- DS-2/DL-2:70(Pa)以下(排気弁有)/50(Pa)以下(排気弁無)
- DS-3/DL-3:150(Pa)以下(排気弁有)/100(Pa)以下(排気弁無)
- RS-1/RL-1:70(Pa)以下
- RS-2/RL-2:80(Pa)以下
- RS-3/RL-3:160(Pa)以下
排気抵抗
- DS-1/DL-1:60(Pa)以下(排気弁有)/45(Pa)以下(排気弁無)
- DS-2/DL-2:70(Pa)以下(排気弁有)/50(Pa)以下(排気弁無)
- DS-3/DL-3:80(Pa)以下(排気弁有)/100(Pa)以下(排気弁無)
- RS-1/RL-1:70(Pa)以下
- RS-2/RL-2:70(Pa)以下
- RS-3/RL-3:80(Pa)以下
<ろ過捕集率>
- DS-1/DL-1/RS-1/RL-1: ろ過捕集効率 ≧90%
- DS-2/DL-2/RS-2/RL-2: ろ過捕集効率 ≧95%
- DS-3/DL-3/RS-3/RL-3: ろ過捕集効率 ≧99.9%
参照元:
厚生労働省:"防じんマスクの新規格の概要及びその対応について"
-
Test ConditionsFilter Certification Test
-
Test Conditions
<防塵マスクのろ過捕集効率テスト様式:テスト規定>
厚生労働省は、国家検定規格に基づき、ろ過捕集効率のテスト様式が規定されている。
固体粒子のみ対応(Sタイプ):DS-1/DS-2/DS-3/RS-1/RS-2/RS-3
- 気流量:85(L/分)
- テスト時間:エアロゾルの付着質量が100(mg)まで継続
- 試験粒子濃度:50(mg/m3)以下
- 試験粒子:塩化ナトリウム(NaCl:sodium chloride)
- 試験粒子サイズ:0.06~0.10(μm)
固体粒子と液体粒子対応(Lタイプ):DL-1/DL-2/DL-3/RL-1/RL-2/RL-3
- 気流量:85(L/分)
- テスト時間:エアロゾルの付着質量が200(mg)まで継続
- 試験粒子濃度:100(mg/m3)以下
- 試験粒子:塩化ナトリウム(NaCl:sodium chloride)
- 試験粒子サイズ:0.15~0.25(μm)
参照元:
厚生労働省:"防じんマスクの新規格の概要及びその対応について"
-
Mask SelectionRegulation for using certificated masks
-
Environment
<区分3(99.9%)使用環境>
対応マスク:使い捨て式(DS-3/DL-3)と取替え式(RS-3/RL-3)の使用が推奨される作業環境。
※DS-3/RS-3(オイルミスト非対応)/DL-3/RL-3(オイルミスト対応)- 放射性物質の汚染のおそれがある区域内の作業
- 放射性物質の汚染のおそれがある区域内の作業
- その他上記作業に準ずる作業
<区分2(95%)使用環境>
対応マスク:使い捨て式(DS-2/DL-2)と取替え式(RS-2/RL-2)の使用が推奨される作業環境。
※DS-2/RS-2(オイルミスト非対応)/DL-2/RL-2(オイルミスト対応)- 金属のヒュームが発散する作業
- 管理濃度が0.1mg/m3以下の粉塵を発散する作業
- その他上記作業に準ずる作業
<区分1(80%)使用環境>
対応マスク:使い捨て式(DS-1/DL-1)と取替え式(RS-1/RL-1)の使用が推奨される作業環境。
※DS-1/RS-1(オイルミスト非対応)/DL-1/RL-1(オイルミスト対応)- 区分3(99.9%)・区分2(95%)で指定されている以外の粉じん作業
参照元:
厚生労働省:"防じんマスクの新規格の概要及びその対応について"
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国家検定規格Chart
-
国家検定規格
厚生労働省
D-R/S-LD:使い捨て式
DisposableR:交換式
Replacable区分(1) S:油耐性・無
Solid対応L:油耐性・有
Liquid対応S:油耐性・無
Solid対応L:油耐性・有
Liquid対応区分(2) DS
1DS
2DS
3DL
1DL
2DL
3RS
1RS
2RS
3RL
1RL
2RL
3粒子ろ過率
(%)≧
80≧
90≧
99.9≧
80≧
90≧
99.9≧
80≧
90≧
99.9≧
80≧
90≧
99.9油耐性 無 有 無 有 呼気抵抗
排気弁有
(Pa)<
60<
70<
150<
60<
70<
150<
70<
80<
160<
70<
80<
160呼気抵抗
排気弁無
(Pa)<
45<
50<
100<
45<
50<
100- - - - - - 排気抵抗
排気弁有
(Pa)<
60<
70<
80<
60<
70<
80<
70<
70<
80<
70<
70<
80呼気抵抗
排気弁無
(Pa)<
45<
50<
100<
45<
50<
100- - - - - - 試験粒子 塩化ナトリウム
(NaCl)フタル酸ジオクチル
(DOP)塩化ナトリウム
(NaCl)フタル酸ジオクチル
(DOP)試験粒子径
(μm)0.06~
0.100.15~
0.250.06~
0.100.15~
0.25試験粒子濃度
(mg/m3)≦
200≦
100≦
200≦
100気流量
(L/分)85